【パワーメーター】アルゴリズム精度検証<シンプルが良い>

センシングデータ5個からベクトルを導出して4個のパラメータを得るアルゴリズムですが、ところどころで理屈に合わない結果がでているため、計算アルゴリズムの精度を最初から見直しました。
●理論値とセンシングデータ比較
4kgのおもりを吊って、上死点付近から下死点までゆっくりと回転させてデータを取って、その場合の理論値とデータ比較。
Torque,Torsion,Bend1,Bend2とクランク角の5つのデータを
検証してみた。
①TorqueとTorsionデータは、上死点から15度範囲、下死点から30度範囲の誤差が大きい
②全体的な理論値との乖離では、Bendデータが圧倒的に理論値に近い。

●新アルゴリズムでの精度検証
今までのアルゴリズムは、TorsionとBendが回転に従って
分力を分け合う原理を連立方程式にして、分力を導いてました。しかし、Torsionの角度をパラメータとした精度がBendより劣るため角度をパラメータとして計算しないようなアルゴリズムを考えました。つまり、三角関数を使わないで、算出するということです。Bend1とBend2から踏力を得るアルゴリズムは、回転角度に関係しないので、Bendデータを計算するアルゴリズムを作りました。以前の図からFxcに注目して分力計算を作ります。

●新アルゴリズムと旧アルゴリズムでの計算結果比較
シンプルな計算の新アルゴリズムのほうが、理論値に近い値がでてました。これは、角度をパラメータとした計算が誤差を拡大してしまうという傾向を示していると思います。何故、角度を中心にした連立方程式で精度が大きく外れるのかは、たぶん、角度によってTorque,Torsion,Bend間のクロストークなどの材料力学的なひずみの干渉があるのではないかと考えてます。
・上死点下死点で乖離しているのは、モーメントのかかり方が
理論値とは違って座屈変形モードも含まれているのではないかと思います。0度±30度と180度±30度の範囲は、別の変形モードが発生していると感じてます。しかし、この範囲は効率が悪くて力も入らない位置なので、全体への影響が少ないので、放っておいても、そこそこの値がでてくると思います。
Bendでも影響があるのですが、全体として角度のクロストークの影響が少ないので、精度が向上したのだと思います。

●以後
11月から適当に理論値と実験値を詰め残してきたので、今回再度アルゴリズムの検証をするはめになりました。しかし、11月ではデータ測定システムの完成度と使い方が不十分でしたので
現時点でようやく、より精度の良い検証ができるようになったのだと感じてます。まだまだ、精度的には10%以内に追い込めてませんが、春までには、レベルが上がっていくと思います。

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