【6分力計2018】精密重量測定調査<Kg原器が変わる>

ひずみゲージ応用でロードセルをここ1年半ほどいじってますが、
6分力計のコト作りで重量測定の源を調べてます。
●究極の重量測定
キログラム原器の定義が2018~2019年に変更になるそうです。
日本ではこの関係は、産総研が担当しているみたいです。
産総研には、日本のKg原器が保管されているそうです。
http://www.tsukuba-sci.com/?p=3239

質量の単位「キログラム」の新たな基準となるプランク定数の決定に貢献

http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2017/pr20171024/pr20171024.html

この中での記事抜粋
●Kg原器も表面汚染で重量変化が発生する
「キログラムの定義は、約130年経過した現在でも変わっていない。国際キログラム原器は国際度量衡局(BIPM)で厳重に保管されているが、表面汚染などのため、その質量の約100年にわたる安定性は50 µg 程度と推定されている。これは1 kg に対して1億分の5(5×10-8)のわずかな変動幅であるが、最新の質量計測技術では無視できない変動である。」
なんと原器でありながら100年で50μgも変動するらしい。
50μgといえば化学分析用の天秤で測定できてしまう単位ですのでとんでもないことだと思います。

●新しいKg原器の定義
シリコン球体が新しい原器でそれを1kg原器として定義するには、その球体からプランク定数を測定することで質量を一義的に定義するそうです。以下抜粋
「約200ある普遍的な基礎物理定数のいずれかを5×10-8を凌ぐ精度で測定し、その値を基準としてキログラムを定義する試みに、世界各国の国家計量標準機関(NMI)が取り組んできた。その結果、2011年の第24回CGPMで、将来、国際キログラム原器を廃止し、以下のようにキログラムの定義を改定する方針が決議された。キログラムの大きさは、プランク定数の値を正確に6.626 07XX × 10-34 J sと定めることによって設定される。 プランク定数は量子論における最も重要な基礎物理定数の一つであり、電子の質量と関連づけられる。このため、現行の1 kgをプランク定数によって表現することができる。また、XXは定義改定の時点での信頼できる測定値から決定される。」

●Kg原器の測定
高純度のシリコン球体を試作してその寸法測定から体積を測定してシリコン原子の個数を数えてアボガドロ数をだして、アボガドロ数からプランク定数を算出するという測定方法でkg原器の
定義をすることにしたらしいです。
=>重量を測定するのに秤を使わないで、シリコン原子球体の原子数の計測で定義するというやり方です。これを実現するには、高精度のレーザー干渉計で体積を精密測定できることがポイントだそうです。以下 抜粋

「今回のプランク定数の測定には、アボガドロ国際プロジェクトで制作した28Si単結晶から研磨された球体を用いた。球体の質量と直径はそれぞれ約1 kgと約94 mmであり、その質量と体積を精密に測定し、密度を決定した。体積測定には産総研で開発したレーザー干渉計を用いた。約2000方位から球体の直径を測定し、2×10-8の精度で球体体積を決定した。直径の測定精度は0.6 nmであり、ほぼ原子間距離(格子定数)に相当する。この世界最高レベルの精度での直径測定は、産総研が開発したレーザー波長の精密制御技術と、球体温度の精密計測技術(精度6/10000 °C)によって実現した。シリコン球体の質量は、超高精度な質量比較が可能な真空天びんを用いて、質量の国家計量標準である日本国キログラム原器と比較して測定した。」

●以後
物理定数を利用して、Kg原器を定義する新Kg原器は、2019年5月20日の世界計量記念日で定義が正式に決定されるそうです。

 

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