5月3日 双六岳テン泊山スキー   3日目  初日  2日目  

2日の夕方からずっとやむことの無い強風で、睡眠時間は少なめだったが、8時間は寝られたと思う。
 今日は停滞するかと思ったが、低気圧が来ているそうで明日はもっとくずれるだろうと思い。朝一から下山することにしました。

 起床は、6時ころでした。もう、周りのテント半分近くたたんで出発間近であった。
 ガスと小雨の中行動するのかと感心したが、登山パーティーさんたちにとっては、通常の行動なのでしょう。停滞していても、明日も悪天候になるのが判っているのですから、早く行動を起こすということなのでしょう。それに刺激されて石松も焦って下山準備に入る、

撮影がおかしいわけではありません、秩父沢斜面直上でガスがくっきち切れているのです。

撤退の難題は強風の中テントをいかに素早くたたむか、また、荷物をいかにぬらさず飛ばさずザックにパッキングするかです。
 テント、フライともペグからはずした紐をスキーに結びつけ仮固定しておき風上から風下に向かってテントをクルミながらまるめて一気に袋に詰めた。残ったいるテントは2個くらいしかった、皆さん素早い撤収で30分くらいで一挙に居なくなった。
 向こうで、スキー集団がかたまって相談している今日のコースだろう、私も下山コースをどうするか悩んだ、大ノマ乗越経由だと双六谷のガスの中で取り付き点を間違えるととんでもないところで迷ってしまう可能性がある。GPSがあるから行けないことはないが、乗越からの滑降もガスで危険だと思ったので、弓折岳経由で、トレースがしっかりついている下山コースを選択した。

壺のコースを下山するので、新品のアイゼンをとりつけて弓折岳中腹まで壺で行くことにした。 ブンリンさんでぴったし調整していただいたKAJITAX LXF-12は調子よく装着できる。途中、岩場で脱いだり着けたりしてもワンタッチ式だと簡単なのことが判った。 ブンリンさんアイゼン選んでくれてありがとう。

小屋からも下山のパーティが結構いて、私とほぼ同時に5人組がスタートした。弓折岳まで急斜面はないが、だらだらのアップダウンが何カ所かあり、たまには、雪庇を数mしか離れずに通る狭い地点もあって、手放しでトレースを追っていればいいわけではなかった。スキーを履いている人達より壺のほうが早いコースです。

途中何も視界のないガスの中雷鳥がのこのこ歩いている、晴れていればこの向こうに槍ヶ岳が見えるはずなのだが残念至極である。

雪庇のクラックがトレースの1mくらい走っていた。後で、高校生くらいの12人の集団が鏡平から登っていたが、坊や達大丈夫かなと心配になったが、その後事故の話しは聞いてないので無事だったのだとうと思う。

弓折岳到着した、ご夫婦が頂上だと教えてくれた。このご夫婦は、私と入山が同じで、下山もいっしょでした。双六小屋で携帯が通らなかったので、弓折岳頂上なら通るだろうと粘ったら何とかIモードに接続できたので、BBSに第一報をアップした。

双六小屋8:30=>弓折岳10:30=>弓折岳中腹滑降開始11:20=>12:20林道=>わさび平小屋13:00=>13:30出発=>新穂高15:50

荷物は、水気含み、軽登山靴とゴミを背負って行きよりも重くなった感じでした。

弓折岳中腹でまっすぐ行くと鏡平に行ってしまうので、5人組が右へドロップした。石松も後をついてガスの中をドロップ、斜面に入ってみると、木が少なく25〜30度の私の得意な斜面なので、いい気になってどんどんターンをつなげていきスピードもあがってきた。ゆるやかな沢の中を降りていくと下山している登山者パーティーがいた。だんだん視界が晴れてきて、雪渓に出たらガスがきれいに晴れた。

雪渓の上部、大ノマ乗越方向はガスで見えない。やはり、弓折経由でよかったかもしれない。ガスの中では、かっとんで降りてこられない。

ガスから下はまったくの晴れで、ここから滑走してくれとお誘いをうけたようなものだと思い、今回の双六行きの最大のイベントの雪渓滑走を開始。重荷だが、テレマーク姿勢を後足にザックを乗せるような感じで沈み込むと結構普通にターンできる。しかし、ターンの遠心力が大きいのでクイックターンや停止するときは、普段よりディレーが生じる。

3回ほど止まりながら、ここまで降りてきて、しばらく休憩である、この滑降で体力を使ってしまうと帰りの重荷でばててしまうのでセーブした。真正面の尾根先頭のガスの上から降りてきたのかと思うとガスかがねければ最高の滑走になったのにと残念至極である。

雪渓から秩父沢に入って、まだまだ斜面は続く何しろおとといの1000m登った分のお返しですから、秩父沢は20度くらいの緩斜面でどうかっとんでもいい、ここでも3回止まりながら最後のでぶりまで降りた。

最後、岩にはさまれた狭い一枚バーンがあった。まるでスキー場である、真下に山スキーヤー達が集まっている。3人組のアルペンスキーヤーが待っているところをお先に下らせていただいた、ショートターンで決めたが、こぶっぽいところがあるので止まってしまった。軽荷なら一気降りだったのだが急な動作はさすができない。重荷のショートターンは後足軸に作っていくと以外と簡単にできた。

わさび平小屋まで1回でぶりを越えるのにスキーを脱いで、それからは一気にスキーで登到着である。弓折岳頂上でお会いしたご夫婦とほぼ同時到着である。結局、スキーをしながら休んでいるので徒歩と同じ時間かかってしまった。小雨が降ってきたが、腹が減ったのでしっかり昼食をとってから、新穂高までの長い徒歩の準備である。

右股林道、でぶりがすごい、看板や大木が折られている、樹林帯ならなだれがないなどとは言えないことがわかった、急斜面に雪が付いている箇所はなだれの可能性がある。左股林道はなだれの怖さを学習するにも良いところです。

わさび鯛平小屋を出て、2時間で林道入口到着、大ノマ乗越登りと同様の苦しい下りであった。水を吸ったテントや備品とスキーで25Kg以上あったと思う。
 今回の双六行きは自分の体力の限界を試せたが、ほとんど計算通りのコースタイムなので、このペースをもっと早くできるようにしないと体力が向上したことにならないと反省してます、ちなみに、体重はへるどころか1Kgくらい太ってしまったのは、困ったことです。